Topics

New Zealand Backpacking & flyfishing Trip

2017/07/25
Category:  

僕が18歳の頃、backpackingというものに出会った。それは今まで経験 したアソビの中で一番面白い、とにかく最高のアソビだった。
衣食住。行きていく上で最も大切なものを全て、自分の背中に背負う。 何を背負うのか、どこへ行くのか、とにかく自由だ。
僕はbackpackというものを背負って、いろんな所へ行った。もちろん 旅は順調に進むことばかりではなく、トラブルに遭うことだって(割と頻繁に)ある。でも、とにかくbackpackingはいつでも、最高なんだ。

今回、僕はNew Zealandに向かった。背負うのは今回の旅のために製作したTe anau40。New Zealandを旅するのは初めてではない。僕はこの国をとても気に入っている。トレイルは至る所に延びているし、河は縦横無尽に流れている。14日間の短い旅。

大きな街から街へはバスが運行しているのだけれど、トレイルヘッドや川へのアクセスは自力で行うしかない。その間50km程あることも当たり前。僕は今回、ヒッチハイクで多くの人に助けてもらった。アメリカからのハイカーのカップル、地元おじいちゃんおばあちゃん、隣国オーストラリア政府で働いてたというジェントルマン、元軍人だという台湾からの留学生。みんな、ありがとう。世界は善意に満ち溢れている。

延々と伸びる道。出会う人はみな、東洋からの旅人に優しくしてくれた。

歩きたいだけ歩いて、シェルターを張る。backpackingは自由なんだ。

川はどこも、トラウトがいそうな様相でわくわくする。でももちろんガイドなんていない。
初めて行くその川の情報も僕にはわからない。川を覗き込みながらサカナを探して歩いた。そしたらいるいる!日本の山ではお目にかかれない 大きな魚影。興奮しながら、パックロッドを組み立てる。
一匹目のサカナは呆気なかった。大きめのパラシュートを疑いもなく咥 えたが、すぐにロッドに伝わる力強い手応えは消えていった。大袈裟に太くしたティペットが、簡単に切られてしまった。(ここからだね!目の色を変えたのは。) 悔しかった。けど、日本から9000kmも離れたところで泳ぐサカナが、僕のフライを咥えてくれたってことは、なんだか嬉しい。ああ、やっぱりサカナはサカナなんだ。そこから、ブラインドで釣り上がりながら、大場所で魚影を探していく。ここぞ、というポイントからはサカナが出てきてくれて、程なく小さな ブラウンとレインボーが釣れた。この日は満足のいくサカナは釣れなかった。

はじめに手にしたのは小さなブラウン。

ハットに着くと何人かのフライフィッシャーがいた。カナダからの僕と 同い年位の青年。彼も今日は釣れなかったみたい。そして、アメリカか らの女性。ソロでNZで釣りなんて強い女性だね。彼女は朝一匹レイン ボーを釣り上げた。どちらの国もビックトラウトの本場じゃないか。せいぜい尺前後のアマゴ、イワナを相手にしているのは僕だけだ、、。で も全然いいさ。僕は日本の渓流魚を誇りに思っている。アマゴの写真を 見せると、2人とも純粋に眼を輝かせてくれた。「いつか日本に釣りに おいでよ。」と。本当に来てくれたらどんなに嬉しいだろう。

↑ハットに泊まって、近くの流れを釣っていた。ベストもなく、ラフな釣り。素敵だったなあ。

翌日、朝から釣り上がる。水温は冷たい。ウェットウェーディングにはすこし厳しい。(でもこれが南アルプスのスタイルだから。)少し暖かくなってきた頃、大場所に差し掛かる。見ると、二匹のトラウトが悠々と泳いでいる。一匹はべったりそこについて、ドライには反応しそうもない。もう一匹はときどきレーンを変えながら中層に定位して いる。ぐっと心を落ち着かせる。フライを投じると、一瞬反応をするも、 見切られてしまう。フライを換え、また換え、と、試みるも、無視され るか、反応はあっても咥えてくれない。少し時間をおくと、表層のエサ を食べ始めた。2投、3投とフライを換えながら投げても、ダメだ。 ならばこれで!と、僕が選んだのは南アでも実績のあるエルクヘアカディス。僕が初めてイワナを釣ったのも、アマゴを釣ったのも、このフライ。 レーンに流すと、疑いもせずフライを咥えた。昨日切られた時と同じ、 あの重量感が伝わってくる。今度は切らせない、絶対に。サカナは走った。フライリールが鳴ったのなんて、西伊豆でシイラを釣って以来だ。

竿は伸されそう。でもこのサカナを釣らないことには日本に帰れない! やりとり中、今がチャンス!と言わんばかりにサンドフライが手の甲を 襲う。(それは反則だ!今は手が離せない!) サカナは徐々に近づいてくる。あと少し、でも焦らずに。レインボーだ。 見るからにワイルド、という精悍な顔つきの。 リーダーがロッドティップに納まった。僕はようやく、彼に触れる。涙 が出るほど(出てないよ)嬉しかった。この地で、もっと素晴らしいサカナを手にしたことのあるフライフィッシャーはたくさんいるだろうけど、僕にとっては、初めて渓流魚を釣った時と同じ感動があった。

竿一本で世界と繋がれるなんて、フライフィッシングはなんて最高なんだろう。まだまだ旅したいところはたくさんあるし、釣りたいサカナはたくさんいる。地球は広い。フライロッドとバックパックがあれば、一 生退屈せずに生きていけるよ。
backpackingはやっぱり最高だ。

Contact

  • Name *
  • Email *
  • Phone
  • Message *